咽喉頭異常感症(ヒステリー球) laryngopharyngeal abnormal sensation
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)とは
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)とは喉(のど)のつかえ感、異物感、不快感などの症状を訴える症候群です。 真性咽喉頭異常感症と症候性咽喉頭異常感症とに分類されます。
真性咽喉頭異常感症とは
耳鼻科の喉頭ファイバーや胃カメラ検査などで器質的異常を認めない場合を指します。
症候性咽喉頭異常感症とは
原因の特定が可能な場合を指します。
真性咽喉頭異常感症の症状とは
- 喉(のど)のつまり感
- 飲み込みにくさ・ひっかかる感じ
- 喉が腫れている感じ
※真性咽喉頭異常感症の場合は、嚥下時痛、咽頭痛・喉頭痛、体重減少、嗄声(させい:声がれ)などは通常認めません。
真性咽喉頭異常感症の診断
まず詳細な問診を聴取いたします。 既往歴や飲酒歴、喫煙歴などの嗜好、いびきや睡眠時無呼吸症の有無、鼻づまりの有無、甲状腺の腫大(しゅだい:はれの有無)をチェックします。 必要に応じて、血液検査・心電図・心エコー・CT・MRI等も検査の対象になってきます。 診断プロセスとして除外診断が必要になります。
以下のような疾患を除外していくことになります。
- 逆流性食道炎
- 好酸球性食道炎
- 食道アカラシア
- 耳鼻科疾患である慢性副鼻腔炎、咽頭炎、扁桃炎、
- 甲状腺疾患
- 悪性腫瘍(食道がん・咽頭がん・喉頭がん)
- 糖尿病
- 狭心症などの虚血性心疾患
等を除外していくことになります。
以上のような疾患に該当した場合は、その疾患の治療を行っていくことになります。
真性咽喉頭異常感症の原因
一番は環境因子・ストレスです。 ストレスが強い場合、自律神経のうち交感神経が優位に作用し、食道の括約筋の過剰(かじょう)収縮が起こるためと考えられております。
真性咽喉頭異常感症の治療
環境調整・ストレスマネジメント
薬物治療
有効な漢方薬が2~3種類程度ありますので、そちらで治療を行っていきます。 上記漢方薬で有効性が認められない場合は、依存性のない抗不安薬を提案する場合もあります。