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慢性胃炎 chronic gastritis

慢性胃炎とは

広義には、内視鏡所見における、びらん性胃炎、表層性(ひょうそうせい)胃炎、萎縮(いしゅく)性胃炎などを含みますが、一般的にはこの萎縮性胃炎を指していることが多いので、萎縮性胃炎について説明いたします。

萎縮性胃炎とその原因

ピロリ菌は、幼少期にまず胃の出口付近の幽門腺粘膜に感染し、慢性活動性炎症を引き起こします。 引き続いて胃の上の方(体部)に感染部分が移行します。 従来から腺細胞が薄く、酸分泌も相対的に低い部分に感染していき、さらには胃全体に慢性活動性炎症が拡大します。

感染が長期間持続すると、粘膜が全層性に菲薄化(ひはくか:うすくなること)することを萎縮性胃炎といいます。 胃粘膜の萎縮が進行すると腸に類似した粘膜に置き換わる腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)という状態になります。

最終的には、最も萎縮が進行しピロリ菌が生息しない状態となり、内視鏡画像からはピロリ菌の感染があったことが推定されるにも拘わらず、ピロリ菌陰性という結果になります。 胃がんの高リスク状態であるといえます。

慢性胃炎の症状

  • みぞおち(胃)の痛み
  • みぞおち(胃)の不快感
  • 胃もたれ
  • 胃の膨満感(ぼうまんかん)
  • 吐き気
  • むかつき
  • 食欲不振

慢性胃炎(萎縮性胃炎)の原因

ピロリ菌は、幼少期にまず胃の出口付近の幽門腺粘膜に感染し、慢性活動性炎症を引き起こします。 引き続いて胃の上の方(体部)に感染部分が移行します。 従来から腺細胞が薄く、酸分泌も相対的に低い部分に感染していき、さらには胃全体に慢性活動性炎症が拡大します。

慢性胃炎の治療

胃カメラ検査で慢性胃炎(萎縮性胃炎)が疑われた場合には、ピロリ菌感染の有無を確認いたします。 ピロリ菌感染検査で陽性と判明した場合は除菌治療を行います。 ピロリ菌以外が原因である場合は、必要に応じて治療を行います。

ピロリ菌とは ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌除菌による胃がん一次予防について

除菌に成功した場合(除菌成功群)と除菌に不成功であった場合(除菌不成功群)の長期成績では、除菌成功群では、不成功群の39%まで胃がん発生を減少させたことが報告されています。

慢性胃炎(萎縮性胃炎)のピロリ菌除菌治療後について

ピロリ菌除菌成功後は、慢性胃炎における活動性炎症は収束します。 しかし、胃がんのリスクは軽減したものの、胃がんリスクが0になるわけではありません。 除菌後も胃カメラ検査で胃がんリスクが高いと診断された方の場合は特に、除菌成功後も、忘れずに定期的な胃カメラ検査を受けて頂くことを推奨します。

除菌後の胃粘膜に発生する胃がんは、発見の難易度が高いとされています。 なぜなら専門的な見地になりますが、胃がんと周囲の萎縮性胃炎との明瞭(めいりょう)な境界を認めにくいためです。 特に体部小弯などに除菌後に認められる地図状発赤(:除菌後胃がんの高リスク因子とされております)の内部に胃がんが発生した場合などは、困難を伴いやすいです。

胃カメラ検査について