この度、さいたま赤十字病院に約15年勤務した縁もあり、さいたま市大宮駅から5分の至近で「大宮駅ささじま消化器内科・内視鏡クリニック」を開設しました、院長の笹島圭太と申します。

私は、千葉大学を卒業し、関連病院への出向後、早期大腸がん・大腸内視鏡の世界的権威の工藤進英教授の講座である昭和大学横浜市北部病院消化器センターで内視鏡検査・治療の研鑽を積みました。ここでの多くの素晴らしいエキスパートとの出会いが、私の大きな財産となりました。直に指導医となり、超拡大内視鏡の開発に携わり学位論文を執筆し、内視鏡のトップジャーナルにアクセプトされました。Real-time in vivo virtual histology of colorectal lesions when using the endocytoscopy system Gastrointestinal endoscopy 1010-1017,63,(7) 2006　Sasajima K et al.

2009年よりさいたま赤十字病院の内視鏡室の立ち上げより招聘いただき、やがて消化管内科部長・内視鏡センター長に就任いたしました。着任当時の赤十字病院の内視鏡件数は周囲のクリニックよりも症例数が少なく、愕然としましたが、それから15年弱で高難度とされる内視鏡的粘膜下層剝離術（ESD）を大腸病変で約1,400例超、食道・胃がんでも約1,100例超、外部の病院へ招聘され約300例超、通算で約2,800例を施行してきました。さいたま市内外のクリニックや病院、また他の病院で手術を勧められたESD困難例や、近隣の大学病院からの御紹介も増加し、無名の施設を大腸ESDの症例数では全国で20位以内の常連に押し上げることができました。これもひとえに、穿孔率が0.02％であり偶発症が極めて少ないなど安全性と、一括切除率（99.8％）の高さなど根治性が高いことが、患者様と紹介元の内視鏡医の先生方に評価していただけた成果と自負しております。

胃・大腸内視鏡検査については、特に大腸内視鏡検査の挿入困難例などの開業医の先生方からのご紹介も多く、これまでに胃・大腸内視鏡検査を通算して5万件以上の経験を積み、本家本流で学んだ安全で患者様に優しい軸保持短縮法という挿入技術のおかげで大腸内視鏡の挿入による穿孔はこれまで0件です。 また、早期病変の場合、内視鏡治療か外科手術を受けていただくべきかを決定する内視鏡医の最終責任者でした。術前に、患者様の背景と全身状態、症例の画像を何回も見直して治療方針を提案し、その治療後の結果までのフィードバック作業をお一人お一人繰り返すことで微少な早期がんを発見する目を培ってまいりました。その一つ一つが自分の礎となっています。

有難いことに、私とは異なる医師の予約取得がなされている患者様が、私を指名できないかとお問い合わせいただくこともございましたが、大きな病院ゆえ御紹介やESDの予約の為、ご希望通りに診察することができないこともあり、心苦しく思っておりました。ESDという技術も大切ですが、内視鏡治療で切除できるように早期でがんを発見するということはもっと大切なことだと思います。 しかし残念ながら、内視鏡専門医すら持たない医師に検査を多数担当させている施設や、がんの見落としや偶発症の多い内視鏡専門医も多く見てきました。患者様には、眠っているがゆえにその検査の質までは評価するのは困難と思われます。

これからは私の臨床現場の最前線に立ってきた豊富なキャリアを生かし、どなたにでも、痛みの少ない、精度の高い安心できる内視鏡検査・治療をご提供できるように努めてまいりたいと思っております。 ESDに関してはやり切ったと思っておりますが、技術や知見に終点はありません。今後も内視鏡だけではなく、消化器内科全般のどんな些細な事でも自省・思考→研鑽→成長を繰り返し、地域の皆様に受診してよかったとご満足いただけるクリニックを目指して参る所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。