- 10月 31, 2024
- 11月 4, 2024
大腸カメラ検査を受けるにあたってご確認いただきたいこと(1)
まず、大腸カメラ検査を受けていただくにあたって思い浮かぶのは、
「苦痛」と「下剤の飲みづらさ」ではないでしょうか?
まず、当院では、経験豊富な院長を始めとする内視鏡学会指導医以上の資格を有する内視鏡医が担当します。腸管にとってソフトな挿入を行い、挿入困難例であっても豊富な引き出しを有する挿入技術によって無駄な苦痛を軽減させます。
開院して、病院勤務時代よりも若年者の患者様の割合が増加しました。人生初めての内視鏡検査という方がかなりいらっしゃいます。「苦痛」を憂慮されるのも無理はありません。眠った状態で受けたいというご要望をうけることが多くなりました。鎮静剤の使用方法に関しても試行錯誤しながら工夫をしております。口コミにも、患者様が書いていらっしゃいますように、午前中内視鏡検査を受けて、午後からデスクワークに行くことも可能です。
当院の静脈麻酔は、覚醒が早い薬剤をメインで使用しているのでイヤな倦怠感がなるべく残らないようにしております。
大腸カメラ検査に不安を抱いている方には、気付いたら終了していたというのをなるべく目指すようにしております。将来がある方に近い将来の次回の検査へのハードルを下げるためにも、苦痛なく終了するというのが非常に重要だと考えております。
次に「下剤が飲みづらく」て吐き出してしまうのではないか?という不安を抱いている方が非常に多くいらっしゃいます。
私も、何回も大腸カメラ検査を受けておりますが、多種類の下剤を内服してきましたが、自分が最も内服しやすいものを当院で採用いたしました。
一部の方は問診で確認した上で適応外となってしまいますが、大半の方は飲みやすいと好評を得ております。過去に複数回大腸カメラ検査を受けて、他の種類の下剤を内服することが多いのが現状ですから、今回の方が飲みやすかったと仰っていただいております。下剤の飲みやすさにおいてもご安心いただけると思います。
最後に内視鏡担当医の話に戻りますが、内視鏡診断能・挿入技術は一朝一夕で身につくものではありません。患者様におかれましては、内視鏡検査を受けられる前に、15年以上の内視鏡専属勤務していたかを経歴で確認されたほうがいいでしょう。内視鏡というのは、リアルタイムで瞬時に判断しなければならないため、脳に膨大なデータが蓄積されている(豊富なひきだしがある)かどうか、またその膨大なデータから引き出しを取り出せるかが非常に重要であるといえます。初学者・中堅・エキスパートの差は、「センス+経験蓄積能力」と自分は解釈しています。
最前線で診断・治療を行ってきたかどうかは、やはり「拡大内視鏡」に精通しているかどうかということになると思います。最前線で診断・治療を行ってきたのならば「拡大内視鏡」をメインに診療を行っていると思いますので、その辺りも受診する際に確認いただくといいかもしれません。
大腸カメラ検査の場合は、拡大内視鏡の有用性は議論の余地はなく通常のカメラより優越性を有しております。腫瘍と非腫瘍の鑑別や早期癌の診断、早期癌の壁深達度(癌が大腸壁のどこまで深く達しているか)など種々の有用性がありますので当院では、大腸カメラ検査を受診される全ての患者様に使用いたします。
癒着が非常に強い、もしくは横行結腸等の深部結腸などの腸管が非常に長い等の患者様におかれましては途中で拡大機能を搭載していない細径カメラに変更して挿入することがあります。
他のご施設で盲腸まで到達しなかった、挿入困難例の患者様を3人御紹介いただきましたが、全ての患者様において盲腸まで苦痛なく無事到達しております。開院してから、盲腸まで到達しなかった患者様は0です。
当院では、大腸内視鏡を3種類、4本を揃えております。内視鏡の本数が不足しているために、洗浄機にかけている間に患者様をお待たせすることを憂慮したことも背景にあります。上述したように挿入困難例の患者様、拡大機能を搭載したカメラであってもやせ型の体形向けや、大柄の方向け等種々のニーズに適切な対応が可能であるように設備を整備しております。
安心して、苦痛の少ない、精度の高い大腸カメラ検査を受けていただける体制を以って、患者様をお迎えいたします。